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【第1章】4 安全活動②

4-1 各種安全活動 1)KY(危険予知)活動

危険予知活動は「危険を自ら感じ、各自が安全行動に努める」ことを目的とした活動であり、基本的には作業現場のグループ別、又は個人別で作業開始前に実践する活動ですが、集団を対象としイラストなどを使用してトレーニングを実施する場合もあります。


KY→「危険予知」又は「危険予知活動」

KYK→「危険予知活動」

KYT→「危険予知トレーニング」


(1) 危険予知活動のポイント

危険予知活動を毎日継続的に実施することで、作業者は危ないことを危ないと気づく感覚や危険への感受性・集中力が高まり、問題解決意欲の向上と安全作業の実行能力を向上させる効果が期待できる。

①危険への感受性を鋭くする。

毎日繰り返し行うことによって、危険なことを「危ない」と感じる感覚や、危険への感受性を鋭くする。

②安全作業への集中力を高める。

危険が潜む作業の大事なところで、指差呼称(指差唱和ともいわれている)「○○ヨシ!」をすることによって、集中力を高めてミスの発生を防止する。

③作業者自身が気づき、ヤル気が強まる。

「どんな危険が潜んでいるか」といった危険有害性に対するホンネの話し合いの中で、危険を危険と気づきヤル気が生まれる。実践への意欲向上や、問題解決能力を高めることにつながる。

(2) 基礎4ラウンド法と短時間KY

危険予知活動の手法はさまざまであるが、「基礎4ラウンド法」がKY活動(KYK)の基本をなす手法である。

①基礎4ラウンド法KY活動の基本形をなす手法で、作業の状況の中に「どんな危険が潜んでいるか」を4つの段階(ラウンド)を経て実施する。

どんな危険が潜んでいるか 基礎4ラウンド法による危険予知訓練レポートの例

※クリックで拡大


基礎4ラウンド法の手順

手順 要領

現状把握
1R(ラウンド)
どんな危険が潜んでいるか

・危険要因は掘り下げよう
・危険要因は具体的に
・危険の様子は肯定的な表現で
・事故の型は言い切る
①リーダーはその日の作業のうち一定の(手順)場面を決め、その作業に対して予測される危険を発言させる。全員に発言を促し、数多く項目を出すよう心掛ける

【危険要因】 + 【現象(事故の型)】

「~なので~して~になる」、「~して~になる」


②作業の「不安全行動」+「不安全状態」によって

「~かもしれない」、「~の危険がある」、「~のおそれがある」などはいらない(「~になる」と断定形で表現)

落ちる、ころぶ、ぶつかる、挟まれる、切る、巻き込まれる、当たる、下敷きになる、転ぶ、火傷する、感電する、打つ・・・など

本質追求
2R
これが危険のポイントだ

・危険のポイントを絞り込む
・◎印とアンダーライン

①重要と思われる項目に○印を付ける

②さらに○印項目のうち重要な1~2項目を「危険のポイント」とし、◎印をつけアンダーラインを引く

③「危険のポイント」を指差呼称する

リーダー:「危険のポイント、~なので~して~になる、ヨシ!」

全員で:「~なので~して~になる、ヨシ!」

対策樹立
3R
あなたならどうする?

①リーダーは「危険のポイント」について対策を全員に問いかける

②実行可能な対策を「~する」という能動的な表現で発言する(行動目標としていくため、「~しない」という否定表現は用いない)

③2Rの◎印ひとつに対し3項目程度の案を出す

目標設定
4R
私たちはこうする

・対策の絞り込み

①全員の合意で各◎印につき対策を1項目に絞りこみ、重点実施項目としてアンダーラインを引く

②各1項目を「チーム行動目標」とする

③「チーム行動目標」を指差呼称する

リーダー:「チーム行動目標、~するときは~して~しよう、ヨシ!」

全員で:「~するときは~して~しよう、ヨシ!」

※KY活動実施の留意事項

KY活動は災害発生に至る直接要因のうち、主に当日現場で対応可能な「不安全行動」に着目しその回避を意図したものだが、「不安全状態」を取り上げ設備等の改善を求める意見を聞いて、本質安全化を目指すことも重要である。


②短時間KY

イ.現地KY

朝礼後の作業開始前、昼休み後の作業再開前などに、作業グループにより作業する現場を見ながら2ラウンドで行う。

ロ.一人KY

それぞれの持ち場で、作業開始直前に一人でKYを行う。朝礼や休憩後の作業開始前に、一人ひとりが自分の持ち場の前で、短時間で自分の作業の危険を考え、自分で決めた行動目標を指差呼称する。


【参考動画】「危険予知活動(KY)シリーズ」

中小建設業特別教育協会HP又はYouTube(「KYシリーズ」で検索)


(3) 現地KYの進め方

現地KYは前述のとおり、作業者一人ひとりあるいは少人数グループで作業する現場において行うものであり、次のような特徴と取り組み方がある。

①少人数グループレベルのKY活動

イ.グループのKY活動に追加し、始業時、作業開始時、作業場所・作業内容変更時など、その場その時の危険有害性に対応するために、リーダーを中心に少人数グループで行う。

ロ.基礎4ラウンド法から「危険のポイント」「行動目標」の2ラウンドと、機械設備点検およびワンポイント唱和で、ごく短時間に終えて、KYの中身についての話し合いを進める。

基礎4ラウンド法

②一人レベルのKY活動

イ.作業の現場では一日中一人作業になる場合もあり、作業者の作業行動からの危険有害性を除去するために、作業者一人ひとりが現地KYを行う必要がある。

ロ.作業者が一人で行う場合は、持ち場の安全確認の後「危険のポイント」「行動目標」の2ラウンドを行い、最後に作業の安全対策を「行動目標」としてワンポイント唱和し、出来るだけ短時間で終える。

基礎4ラウンド法 自問自答カード(例)

 

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