【第2章】2.換気の種類及び概要③
参考:送風機と換気の種類
送風機などを使って換気する方法を自然換気に対して機械換気とも言います。建設現場などでは「換気」というと、多くが機械換気のことを示しています。
図は、酸素欠乏等危険作業や石綿含有建築物等の解体作業、有機溶剤取扱作業などで使用される比較的小型の送風機です。
送風機は扇風機と同じように電気で羽根を回転させることにより、一定の方向に風が流れます。また、送風機とは呼びますが逆向きに据え付ければ排気にも使えます。(排風機という呼び方もあります)
通常、給気に使用する場合は新鮮な空気の供給できる場所に送風機本体を設置し、目的の場所まで風管(フレキシブルダクト)をつないで使用します。排気に使用する場合もほぼ同様で逆の使い方ですが、排出する気体の内容によっては、本体設置場所(排出場所)での毒性や引火性などに関する配慮が必要な場合もあります。
図の送風機は口径200mm・100V、25/35(m³/min)タイプのものですが、対象となる場所の気積(空気の体積)や、作業人数に適合する仕様のものを使用します。作業者一人当たり10m³/min以上が目安とされていますので、例えば5人で作業する場合は上記の機械では能力不足ということになります。
換気の種類は、例えば住宅建築時の換気システムや作業現場で毒性のある気体を扱う場合、酸素欠乏症等の防止のための換気など、その目的によって様々なものがありますが、以下は送風機と風管を使用して対象となる空間の空気全体を入れ替えようとする一般的な例です。
送風機を使用して行う場合も、①給気式、②排気式、③給排気式の三種類の方法があります。
①給気式
タンクなど密閉性の高い場合で、給気のみ行う方式。内部は常に陽圧(外気より気圧が高い=正圧)になるため、ほぼ給気と同量が開口部より排気される。
ダクトの位置によって既存の空気との混合度が変わる為、換気効果にムラが生じる恐れがある。
②排気式
①とは逆に排気のみ行う方式。内部は常に陰圧(外気より気圧が低い=負圧)になるため、ほぼ排気と同量が開口部より給気される。
換気効果を高めるため、ダクトの位置は出来るだけ最深部(給気部分の対角線)がよい。
③給排気式
密閉性に乏しく①②の方式により難い場合で給気と排気の両方を行う方式。換気効果や換気を継続しながら作業を行う場合の安全性は高い。
一方、給気と排気のバランスによっては、内部が陽圧にも陰圧にもなる為配慮が必要な場合がある。
また、給気・排気のダクトの距離によっては新鮮な空気のほとんどを排出してしまうことになりかねないので、設置する位置に注意が必要である(短絡という)。
なお、換気を継続しながら作業する場合、給気ダクトは作業者の呼吸に配慮して高さを設定する必要があります。
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