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【第1章】1.粉じんの有害性①

1-1 粉じんとは

高度経済成長に伴う大気汚染が社会問題となり、昭和43(1968)年大気汚染防止法が制定され、様々な汚染物質が規制されています。これは工場や事業場における事業活動、自動車の使用などにより排出されるものであり、それぞれの規制が設けられています。

現在規制を受けている主な物質の内訳は以下の通りです。

・ばい煙
・揮発性有機化合物
・粉じん
・特定物質
・有害大気汚染物質
・自動車排出ガス
・水銀

このうち粉じんは大気中に浮遊する微細な粒子状の物質の総称であり、物の破砕や堆積などによって発生し、飛散する物質です。

大気環境中の粉じんには粒径、成分のさまざまなものがあり、降下ばいじんは10μm程度かあるいはそれ以上で比較的粒子が大きく、人の肺機能に影響すると考えられています。10μm以下の浮遊粉じんは『浮遊粒子状物質(SPM)』と呼ばれれ、さらに近年では2.5μm以下のものをPM2.5として規制されるようになっています。

降下ばいじん:
大気中に排出されたばいじん(燃料その他の物の燃焼または熱源として電気の使用に伴い発生するすすや固体粒子)や風により地表から舞い上がった粉じんなどのうち、比較的粒径が大きく重いために大気中で浮かんでいられずに落下(降下)するもの、あるいは雨や雪などに取り込まれて降下するものをいう。

μm:マイクロメートル=10-6 メートル (m)=0.001 ミリメートル

PM:particulate matter(=粒子状物質)の略

粒子の大きさ比較

大気汚染防止法第2条第4項では、粉じんは、「物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し、又は飛散する物質」と定義されています。平成元(1989)年に「特定粉じん」と「一般粉じん」に区分され(大気汚染防止法第2条第5項)、特定粉じんとしては石綿(アスベスト)が指定されており、工場又は事業場の敷地の境界線における大気中の濃度の許容限度が定められ、規制されています。一般粉じんは特定粉じんを除く粉じんで、管理基準などが定められています。

PM2.5 ~ たばこの粒子 

PM2.5とは草木などの植物や石炭や石油などの化学燃料などが燃焼する際に発生する粒子状物質のうち、粒子の径が2.5マイクロメートル以下の(微小粒子)物質をいいます。タバコの煙は植物の葉を燃焼させたもので、粒子の径は0.1~1.0マイクロメートルですから、PM2.5に該当します。

タバコの煙は、粒子が非常に小さい上に、多くの有害物質が含まれているため、健康被害を受けやすく、日本ではタバコが原因で年間13万人の方が亡くなっていると報告されています。

なお、ばいじんとは、物を燃やした時に発生する煙やスス・チリ等の中に含まれる微粒子のことです。「大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって集じん施設によって集められたもの」と定義されています。

大気汚染防止法による規制は国民生活全般の環境を対象としていますので、環境省が所管しています。
これとは別に職場の作業環境における労働者の健康被害を防止する目的で、労働安全衛生法・粉じん障害防止規則などにより粉じんの規制が行われています。

こちらは厚生労働省が所管しています。

 

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