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【第4章】2-4-2 派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について(抜粋)②

2-4-2 派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について(抜粋)③

第3 派遣労働者の安全衛生の確保に係る重点事項

1 派遣元事業者が実施すべき重点事項

派遣元事業者は、雇入れ時の安全衛生教育、一般健康診断の実施等の安衛法上の措置を講ずる必要があること。

(1)派遣労働者を含めた安全衛生管理体制の確立(安衛法第10条、第12条、第13条、第18条等)派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、①総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医等の選任等、②衛生委員会の設置等を行うこと。

(2)安全衛生教育の実施等(安衛法第59条、3(1)(2)参照)派遣労働者は一般の労働者に比べて業務の経験年数が短く、労働災害発生率が相対的に高いことに鑑み、危険有害業務の有無にかかわらず、当該派遣労働者の作業内容に即した実効ある安全衛生教育を確実に実施する必要があること。

ア 雇入れ時の安全衛生教育の適切な実施

派遣労働者を雇い入れたときは、当該派遣労働者に対し、遅滞なく雇入れ時の安全衛生教育を適切に行うこと。

イ 作業内容変更時の安全衛生教育の適切な実施

派遣労働者の派遣先事業場を変更する等その作業内容を変更したときは、当該派遣労働者に対し、遅滞なく作業内容変更時の安全衛生教育を適切に行うこと。

また、派遣先事業場において派遣労働者の作業内容が変更された場合には派遣先事業者が作業内容変更時の安全衛生教育を行うこととされているが、当該作業内容の変更を把握した場合には、派遣先事業者が行った作業内容変更時の安全衛生教育の実施結果(作業内容を変更した対象労働者、変更した業務内容、実施した安全衛生教育の内容及び時間)を書面等により確認すること。

ウ 安全衛生教育の内容等

雇入れ時及び作業内容変更時(以下「雇入れ時等」という。)の安全衛生教育は、当該業務に関して、作業内容や取り扱う機械等、原材料等の取扱い方法、それらの危険性又は有害性等に応じて、派遣労働者の安全又は衛生を確保するために必要な内容及び時間をもって行うこと。

そのため、これらの情報について派遣先事業者から事前に入手するとともに、教育カリキュラムの作成支援、講師の紹介や派遣、教育用テキストの提供、教育用の施設や機材の貸与など派遣先事業者から必要な協力を求めること。

エ 派遣先事業者に安全衛生教育の実施を委託した場合の対応

派遣先事業者に対し、雇入れ時等の安全衛生教育の実施を委託した場合は、その実施結果を書面等により確認すること。

オ 特別教育の実施の確認

特別教育が必要な一定の危険又は有害な業務に派遣労働者が従事する場合には、派遣先事業者が行った当該業務に係る特別教育の実施結果を書面等により確認すること。

(3)就業制限(安衛法第61条、3(2)参照)

派遣労働者が就業制限業務に従事することが予定されているときには、当該業務に係る有資格者を派遣すること。

(4)健康診断の実施及びその結果に基づく事後措置

(以下省略)

(5)長時間にわたる労働に関する面接指導等(安衛法第66条の8、第66条の9)

(以下省略)

(6)心理的な負担の程度を把握するための検査等(安衛法第66条の10)

(以下省略)

(7)派遣労働者が労働災害に被災した場合の対応

ア 労働者死傷病報告の提出等(安衛法第100条)

派遣労働者が労働災害に被災したことを把握した場合、派遣先事業者から送付された所轄労働基準監督署に提出した労働者死傷病報告の写しを踏まえて労働者死傷病報告を作成し、派遣元の事業場を所轄する労働基準監督署に提出すること。

イ 労働災害の再発防止対策(3(2)参照)

派遣労働者が労働災害に被災した場合、派遣先事業者から当該労働災害の原因や対策について必要な情報提供を求め、雇入れ時等の安全衛生教育に活用するとともに、当該労働災害に係る業務と同種の業務に従事する派遣労働者にこれらの情報を提供すること。


2 派遣先事業者が実施すべき重点事項

派遣労働者の安全衛生を確保するためには、派遣先事業者が、派遣労働者は一般的に経験年数が短いことに配慮し、派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置等を現場の状況に即し適切に講ずることが重要であること。

(1)派遣労働者を含めた安全衛生管理体制の確立(安衛法第10条、第11条、第12条、第13条、第17条、第18条等)

派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、

①総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医等を選任し、派遣労働者の安全衛生に関する事項も含め、必要な職務を行わせること。

②安全衛生委員会等を設置し、派遣労働者の安全又は衛生に関する事項も含め、必要な調査審議を行うこと。

(2)危険又は健康障害を防止するための措置の適切な実施(安衛法第20条、第22条等)

機械等の安全措置等、派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置を現場の状況に即し適切に実施すること。 

(3)危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置の実施(安衛法第28条の2)

派遣労働者が従事する作業について、危険性又は有害性等の調査を実施し、その結果に基づき、機械の本質安全化等、リスク低減措置を講ずること。 

(4)安全衛生教育の実施等(安衛法第59条) 

ア 雇入れ時等の安全衛生教育の実施状況の確認 

派遣労働者を受け入れたときは、派遣元事業者による雇入れ時等の安全衛生教育について、当該派遣労働者が従事する業務に関する安全又は衛生を確保するために必要な内容の教育が実施されているか等、その実施結果を派遣元事業者に書面等により確認すること。 

イ 作業内容変更時の安全衛生教育の適切な実施

派遣労働者を異なる作業に転換したときや作業設備、作業方法等について大幅な変更があったとき等、その作業内容を変更したときは、当該派遣労働者に対し、作業内容変更時の安全衛生教育を行うこと。また、当該教育は、派遣労働者が従事する業務に関する安全又は衛生を確保するために必要な内容及び時間をもって行うこと。 

ウ 特別教育の適切な実施

特別教育が必要な一定の危険又は有害な業務に派遣労働者を従事させるときは、当該派遣労働者が当該業務に関する特別教育を既に受けた者か等を確認し、当該派遣労働者に対し、必要な特別教育を適切に行うこと。また、その実施結果を派遣元事業者に書面等により報告すること。

エ 派遣先事業場における禁止事項の周知

立入禁止場所等の派遣先事業場において禁止されている事項について、派遣労働者に対し、周知を行うこと。

(5)安全な作業の確保

ア 就業制限業務に係る資格の確認(安衛法第61条、3(2)参照)

就業制限業務に派遣労働者を従事させるときは、当該派遣労働者が資格を有していることを確認すること。

イ 安全な作業マニュアル等の作成

派遣労働者が従事する作業について安全な作業マニュアルや手順書(以下「マニュアル等」という。)を作成するよう努めること。

ウ 派遣労働者の作業状況の確認

派遣労働者がマニュアル等により適切な作業を行えるよう、適時作業状況を確認する者を定め、その者に必要な指揮を行わせるよう努めること。

エ 標識、警告表示の掲示等

立入禁止場所、危害を生ずるおそれのある箇所等には、わかりやすい標識や警告表示の掲示を行うこと。

オ 安全衛生活動への配慮

派遣先事業場が実施している危険予知活動、安全衛生改善提案活動、健康づくり活動等の安全衛生活動に派遣労働者が参加できるよう配慮すること。

(6)特殊健康診断の実施及びその結果に基づく事後措置等

(以下省略)

(7)ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析(安衛則第52条の14)

(以下省略)

(8)健康に関する情報に基づく派遣労働者に対する不利益な取扱いの禁止

(以下省略)

(9)派遣労働者が労働災害に被災した場合の対応

ア 労働災害の発生原因の調査及び再発防止対策

派遣労働者が労働災害に被災した場合は、その発生原因を調査し、再発防止対策を講ずること。

イ 労働者死傷病報告の提出等(安衛法第100条)

派遣労働者が労働災害に被災した場合は、労働者死傷病報告を作成し、派遣先の事業場を所轄する労働基準監督署に提出すること。

また、当該労働者死傷病報告の写しを、遅滞なく、派遣元事業者に送付すること。


3 派遣元事業者と派遣先事業者との連携

派遣元事業者及び派遣先事業者は、それぞれの責任区分に応じた安衛法上の措置を講ずる必要があり、これを円滑に実施するためには、両者の適切な連絡調整等が重要である。

このため、①労働者派遣契約において当該派遣労働者の安全衛生を確保するために必要な事項を記載するとともに、②派遣元責任者及び派遣先責任者は派遣労働者の安全衛生が的確に確保されるよう連絡調整を行うこと。

(1)安全衛生教育に関する協力や配慮

ア 派遣元事業者に対する情報提供等

派遣元事業者が派遣労働者に対する雇入れ時等の安全衛生教育を適切に行えるよう、①派遣元事業者は派遣先事業場から当該派遣労働者が従事する業務に係る情報について事前に提供を求めること、②派遣先事業者は当該情報を派遣元事業者に対し積極的に提供すること。

また、派遣先事業者は、派遣元事業者から教育カリキュラムの作成支援、講師の紹介や派遣、教育用テキストの提供、教育用の施設や機材の貸与等の依頼があった場合には可能な限りこれに応じるよう努めること。

イ 雇入れ時等の安全衛生教育の委託の申入れへの対応

派遣先事業者は、派遣元事業者から雇入れ時等の安全衛生教育の委託の申入れがあった場合には、可能な限りこれに応じるよう努めること。また、派遣先事業者は、当該教育の実施を受託した場合には、その実施結果を派遣元事業者に書面等により報告すること。

ウ 派遣先事業者が実施した作業内容変更時の安全衛生教育に係る報告派遣先事業者は、派遣労働者を異なる作業に転換したときや作業設備、作業方法等について大幅な変更があったとき等、その作業内容を変更し作業内容変更時の安全衛生教育を実施したときは、その実施結果を派遣元事業者に書面等により報告すること。

(2)危険有害業務に係る適正な労働者派遣

派遣元事業者及び派遣先事業者は、派遣労働者が従事することが予定されている特別教育が必要な一定の危険又は有害な業務や就業制限業務に係る当該派遣労働者の資格等の有無を確認し、必要な資格等がない者がこれらに従事することがないよう、十分連絡調整を図ること。

なお、労働者派遣法第45条第6項等において、労働者派遣契約に従って派遣労働者を労働させたときに、派遣先事業者が安衛法第61条等に抵触することになる場合には、派遣元事業者は労働者派遣を禁止しており、これに違反する場合には、派遣元事業者に罰則が適用される特例措置も定められていること。

(3)健康診断に関する協力や配慮

(以下省略)

(4)長時間にわたる労働に関する面接指導に関する協力や配慮

(以下省略)

(5)派遣元事業場における再発防止対策に関する協力

派遣先事業者は、派遣労働者が労働災害に被災した場合、派遣元事業場における安全衛生教育への活用や当該労働災害に係る業務と同種の業務に従事する派遣労働者への情報提供の観点から、派遣元事業者に対し当該労働災害の原因や対策について必要な情報を提供すること。

(6)派遣元事業者と派遣先事業者との連絡調整

派遣元事業者及び派遣先事業者は、定期的に会合を開催するなどし、健康診断、安全衛生教育、労働者派遣契約で定めた安全衛生に関する事項の実施状況、派遣労働者が被災した労働災害の内容・対応、派遣先事業場が実施している安全衛生活動への派遣労働者の参加等について連絡調整を行うこと。


 

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