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序:義務化されたストレスチェック

平成26年6月に公布された改正労働安全衛生法により、平成27年12月1日「ストレスチェック制度」が施行されました。労働安全衛生法とは、「労働者の安全と健康の確保」や「快適な職場環境の形成」などを目的とした法律です(※1)(※2)。また、施行に合わせて策定された「ストレスチェック制度実施マニュアル」は、平成28年4月、令和元年7月、令和3年2月と、現在までに3度の改訂が行われています。(※3)

過去、労働安全衛生法は時代の変遷とともに改正を重ねてきました。その時代ごとに新たな労働問題が浮き彫りとなり、その都度改正を経ているのです。そして平成26年に、ストレスチェックの実施を義務化するための改正が行われた訳ですが、その背景は何でしょうか。

厚生労働省が発行しているリーフレット「労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)の概要」によりますと、『精神障害の労災認定件数が3年連続過去最高を更新 ⇒ 労働者の心理的な負担の程度を把握し、メンタル不調に陥る前に対処する必要性』という内容が示されています(※4)なお、その後も令和5年度の精神障害の労災支給決定件数は、883件と5年連続で過去最高が更新されています。


出典:「令和5年度過労死等の労災補償状況」厚生労働省


つまり現代においては、労働者の精神障害・メンタル不調が看過できないレベルで増加傾向にあるということです。事実、メンタルヘルス(精神的健康)不調による休業・退職者の状況は統計からも悪化傾向にあることが明らかです。(※5)

また、令和5年度「過労死等の労災補償状況」によると、原因のトップが「パワーハラスメント」であることも問題視されています。ストレスの原因は、時代の流れによって変化している点にも注意が必要です。


「令和5年度過労死等の労災補償状況」厚生労働省

出典:「令和5年度過労死等の労災補償状況」厚生労働省


そこでこの記事では、ストレスチェックの意義、概要、そしてストレスチェックを実施するための具体的な方法について解説しています。「義務だから仕方なく実施する」というのではなく、その目的やビジョンについても一緒に考えていきましょう。

 

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